先輩達からのメッセージ

PARE卒業生の声

長竹 新

長竹 新

 私はPAREプログラムでは北海道でのサマースクールとインドネシアでのスプリングスクールの2回に参加しました。現在は農学院の博士課程で土壌学を専攻し、農地から発生する温室効果ガスと窒素の流出という環境負荷を対象に、土壌中での発生メカニズムを明らかにして環境負荷の小さくなる農地管理方法の開発を目指し研究をしています。
 サマースクールでは「郊外地域における地域自立的で持続可能なエネルギー獲得」、スプリングスクールでは「都市部に隣接する大規模河川下流での水質汚染を改善」を達成するためのマスタープラン作りに取り組みました。講義では課題に関わるこれまでの取り組みや理論的背景の知識を獲得し、現在の取り組み例の視察も行ったほか、実際に水質の野外調査やガス排出の実験データを採取し、これらを元手に各自設定した地域での課題解決のために必要かつ実行できる技術の組み合わせや規模などを議論しました。
 PAREに参加して得られたものとして、共に議論をするグループのメンバーは別個の国と専門から来ており、一つの問題に対する異なる見方や専門知識を共有できたということが刺激的でした。しかし一層興味深かったのは、当初は生じている問題に対応した技術の議論が中心だったのが、次第に街づくりや教育の方針、地域の制度づくりまで広がり、どのようにしたら実社会で実現可能なのか議論できたことでした。
 普段行っている研究ではある事象を証明することに力を注ぎます。一方で私の研究に関わる農業技術の実際の普及過程については知っているようで、未だ深くは意識してこなかったものでした。私自身は修士時代には就職活動はほとんど行わずに博士課程に行く事を選びましたが、研究を続けていくという道以外にも、その成果や経験と社会と結びつけ実装できるように働く事の体験がPAREの中にあったと思います。このようなキャリアへの興味と視野が具体的になって来たことも、参加して得られたことです。
 将来の進学も視野に入れている学部4年生や修士1年生にとって、これから行う研究とその後のキャリアを考える時に、研究室生活や就活、インターン以外のオススメの機会です!

奈良 拓弥

奈良 拓弥

 私はインドネシアのボゴール農科大学で開講されたPAREスプリングスクール(2015年3月)に参加しました。学部時代は理論系の研究室に所属していたので、フィールド調査に憧れを抱いていました。また、開発途上国における環境問題に強い関心があったことから参加を決意しました。集中講義ではタイ人、中国人、インドネシア人及び日本人で構成されたグループに割り当てられました。土地、水、食料、エネルギー資源の持続的利用と管理に関する課題について授業及びフィールド調査で収集したデータを基に、限られた時間の中で課題に対する解決策を提案する必要性がありました。私達のグループは議論の最後の最後まで解決策への方向性が決まらず、人生の中でも最も後悔の残るグループワークとなってしまいました。やはり原因としては日本人の悪い面でもある自分の意見をはっきりと言わなかった点や決断力の欠如にあると考えました。プログラムを受講し、開発途上国における環境問題及びフィールド調査により一層興味を抱き、修士課程ではモンゴルで永久凍土に関する研究を行うことを決意しました。私は、単身でモンゴルに赴き、世界自然保護基金(ドイツ・アメリカ)とモンゴル地理学研究所のメンバーと共同調査(永久凍土に関する研究)を行いました。PAREプログラムでの経験を教訓とし、研究チームの中では自身の研究の意義を海外研究者に粘り強く説明し、最後までぶれないことを心がけています。PAREプログラムは異文化交流、フィールド調査など幅広い領域を体験することができます。理系の方で専門分野とかけ離れている方も安心して学ぶことができる環境だと思います。是非参加を考えている方は検討してみては如何でしょうか。

吉村 美香

北海道大学水産科学院 博士後期課程3年

吉村 美香

2015年3月8日~21日にインドネシアのボゴール大学で開かれたスプリングコースに参加しました。11日間のコースの中、座学とともに現地の環境に関する課題を実際にフィールドで体験しながら学びました。中でも印象的なのは、バドウィ族の村を訪問したことです(Fig. 1, Fig. 2)。バドウィ族は政府の保護を受けながら、水道・電気・ガスを使わず、伝統文化を守りながら生活していました。村の空気は澄み、たくさんの蝶が飛び、渋滞と環境汚染を抱えるジャカルタ市内と対照的でした。

スプリングコースは、グループワークが多く、日が経つごとにみな仲良くなり、コミュニケーションが取りやすくなりました(Fig. 3)。生活面では、イスラム教の風習やインドネシアの食文化にふれる毎日でした(Fig. 4)。コースの間、食事・買い物・洗濯などは、現地の学生や既に現地に滞在していた日本人の学生がお世話をしてくれました。暑さで体調を崩した時はスタッフの方にサポートして頂きました。複数の組織に守られたプログラムという観点からもスプリングコースは、海外に行ったことがない人にお勧めです。PAREでは事前に取る基礎科目が全て英語で行われるので、英語に慣れるよい機会でもあります。

海外に行くだけなら社会人になって、いくらでも行けるかもしれません。しかし、短期間に様々な背景を持つ国の人々と、同じ空間で、同じ立場で講義を受け、一緒に悩み、課題に取り組み、達成感を共有する、そんな利害関係のない友人を得ることができるのは、学生時代にしかできないことの一つだと思います(Fig. 5, Fig. 6)。

最後に、このプログラムを創り、陰で支えて頂いたスタッフの方々、先生方、お世話になった現地の学生達に感謝致します。貴重な経験をありがとうございました。

※クリックで拡大表示できます。

Fig.1 バドウィ族を訪問インタビュ-
Fig.2 村の集会所でお昼 歩き疲れているところ
Fig.3 グループワーク後 ボゴール大学講義室
Fig.4 フィールドワークのお弁当
Fig.5 コース終了日 ボゴール大学
Fig.6 修了書授与 ボゴール大学

吉村 元博

私はスプリングスクールの2週間と修士1年の半年間、PAREプログラムでインドネシアに滞在しました。これらの滞在を通して、応募前は想像もつかないような交友や見識が広がり、自分の学びが社会とどのように繋がるのかを知ることができました。

スプリングスクールの2週間は国籍と専攻が異なるメンバーでグループに分かれ、インドネシアの水をめぐる自然環境や社会をどのように改善できるか、という課題に取り組みました。課題に対して各メンバーが様々な知識や視野で取り組んだのは新しい気付きが多く非常に刺激的でした。例えば、インドネシアの学生がインドネシアの社会問題や法律の仕組みを解説し、農学系の学生は環境問題の解決方法を提案する、といった感じです。また、毎日フィールドワークと講義が交互にあるタフなスケジュールを共にする中で学生同士の結束が一層強くなり、2年が経った今でも連絡を取り合っています。

半年間の滞在で私は一人でインドネシアの農村に住み込み、現場の農業の様子を調べました。私のたどたどしいインドネシア語でも現地の方は私を「君は家族だよ」といって暖かく受け入れてくださり、非常に励みになりました。彼らと生活を共にしながら聞き取り調査をすることで、インドネシアの農家の暮らしの様子やモチベーション、農業の課題が見えてきました。

プログラムを通して、異なる相手を認め、各々の得意なことを活かそうとするチームワークや、新しい環境への適応力が身に付いたと感じました。これは将来社会に出た際、異なる背景を持つ者同士でチームを組み課題に取り組む上で非常に大切な経験だと思います。また、就職活動に向けてもグループディスカッションのいい訓練になります。しかも英語でできるのです。

プログラムでは留学先と北大で単位の互換ができ、奨学金も航空券及び滞在費用が給付されます。そのため、留学前に卒業に必要な単位が取り切るのが厳しい、もしくは興味はあるがお金が無くて応募できない、という心配にもしっかり対応しています。このようにサポートも充実していますので、興味があればぜひとも応募してみてください。意欲的に取り組んだ分、実りあるプログラムになると思います。

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